革靴転売のリペアでは「鏡面磨き」までやったほうが良い?

どうもこんにちは、まえのです。

 

革靴転売のリペアで、一番最後に行う工程と言えば「鏡面磨き」ですよね。

もともと靴磨きが好きな方にはこの工程が “ 腕の見せどころ ” といった感じなのでしょうが、

凝った鏡面磨きをするとなると、それこそ追加で20分、30分とかかってしまいます。

これは、短時間でサクサク磨いていきたい革靴転売としては、

あまりやりたくないというのが本音ですよね。

 

なので今回は、「そもそも鏡面磨きは本当に必要なのか」というテーマでお話ししていこうと思います。

 

まず最初に結論から言えば、

「鏡面磨きは、やらなくてもいいです。」

 

鏡面磨きをしなくても、売れますし、利益も十分に出ます。

 

鏡面磨きをした方が売れると思っている人も多いと思いますので、

ここからはもう少し細かくお話していこうと思います。

鏡面磨きをやらなくてもいい根拠は?

以前は僕も「鏡面磨きをした方が売れやすい」と思っていましたが、

そうとも限らないというのが、革靴転売を続けているうちにわかってきました。

なぜなら、鏡面磨きをしていない革靴でも、鏡面磨きをした革靴と同じように売れているからです。

『そうは言っても、鏡面磨きをした方が回転率も良くないですか?』

そう思われるかもしれませんが、

思いのほか、鏡面磨き無しでも回転率よく売れていっています。

中には、出品から数時間で売れるものもたくさんありました。

 

それが明確にわかったのは、外注化を始めてからです。

外注化を始める時、外注さんにリペアをどこまで依頼するかというのを考えた結果、

僕は思い切って「鏡面磨きは無し」にすることにしました。

鏡面磨きが加わるだけで、作業量も増え外注さんにとっての負担が大きくなります。

それに、鏡面磨きのあの“感覚で出来るようになってくる感じ”を教えること、

これもなかなかハードルが高いなと思いました。

 

そういうわけで、外注さんが仕上げてくれた革靴は、一切、鏡面磨きを施していません

にもかかわらず、僕が見込んでいた以上の金額で売れていっています。

具体的に言えば、平均して1足あたり4,000円ぐらいの利益は出ています。

これには正直驚きました。

 

外注さんは靴磨きも初心者だし、

鏡面磨きは一切やっていないし、

だから僕としても、平均して3,000円ぐらい利益が取れればいいか

というぐらいのイメージで始めたのが外注化でした。

基本的に高単価商品は自分でやっているので、

外注さんに任せているのはもともと利益見込みもそんなに大きくない革靴が多いです。

 

それなのに、いざ蓋を開けてみれば

利益も前述の通り、思った以上に伸びてますし、

回転率も全然悪くない。

 

正直この結果が出るなら、鏡面磨きなんて要らないじゃん。笑

というのが、率直な感想です。

 

一応、具体的な実績からの判断ですので、

必ずしも鏡面磨きをしなくても良い

ということはわかっていただけると思います。

 

ここから先は、もう少し鏡面磨きについて考えていこうと思います。

鏡面磨きの世間的なイメージが人それぞれ違う

ひとつ言えるのが、鏡面磨きに対しての理解が人によって違うということです。

このことも、「鏡面磨きをする≠売れやすくなる」となった要因かもしれません。

どういうことかと言うと、

鏡面磨きに対して良いイメージを持つ人もいれば、悪いイメージを持つ人もいるということです。

 

ちなみに、あなたは鏡面磨きをする目的って何だと思いますか?

鏡面磨きは、革靴に悪い影響を及ぼすと思いますか?

それとも、良いものだと思いますか?

 

この問に関して、明確な回答が出来るという人はかなりの靴好きだと思います。

僕自身、革靴のケア方法もこれまでに色々と調べたりしてきましたが、

知れば知るほど、深みにハマっていく感じで…

何が本当に良いのかというのがわからなくなってくるというのが悩みだったりしますw

 

なので、ここでは一般的な回答として、

鏡面磨きのメリットやデメリットを認知度を考慮しながらお伝えしようと思います。

鏡面磨きのメリット

メリット①見栄えが良くなる

鏡面磨きを行う前と後で一番変わるのが「見た目」ですよね。

つま先部分がピカピカになって、周りの景色が鏡のように映される鏡面磨きは逸品だと思います。

もちろん、つま先部分だけでなく、踵部分や、つま先から踵にかけてのグラデーション磨きなどもできれば尚更カッコいいですよね。

 

鏡面になる仕組み
鏡面磨きというのは、革靴表面にある小さな毛穴や小傷を、何層ものワックスの層で埋めていき、表面を平にする磨き方です。

そうすることで、光が乱反射せず綺麗に反射してくれるようになり、鏡のようにくっきりと景色が映るようになります。

メリット②プロテクト効果がある

プロテクト効果というのは、「傷付き防止」のことです。

おそらく、革靴を大事に履きたい方が【鏡面磨き】をする大きな理由がこれでしょう。

上の図のように、革靴の表面に何層ものワックスの層が出来上がるので、つま先が傷つくようなアクシデントが起こってもとりあえずは安心です。

要するに、革自体が傷つかず、ワックスが削れる程度で済むことが多く、革靴の保護に繋がります。

スマホの画面に保護フィルムを貼る方は多いと思いますが、それと近いイメージですね。

 

もし仮にワックスが傷ついたり削れたりしても、ワックスを落としてしまえば、革表面は綺麗な状態であることがほとんどです。

万が一、鏡面磨きをしていない革靴が傷がついてしまうと、ヤスリなどで削って慣らすか、パテのようなもので傷を埋めるなどの「修理」が必要になります。

そういった場合、修理はできたとしても、完全に元通りにはなりません。

 

特に大事にしていた革靴のつま先をガリッとやってしまうと、それはもう傷つきますよね。※精神的に^^;

 

メリット③小傷程度なら埋められる

あまりに深い傷があった場合は厳しいですが、小傷程度の場合、ワックスでも埋められます。

鏡面磨きの仕組みを考えてみれば、わかりやすいと思います。

 

革靴は、特に爪先部やかかと部分が傷つきやすいので、

そういったところの小傷をワックスで埋められると考えると、

状態の良い革靴のように仕上げることも可能ということです。

 

ただし注意していただきたいのが、

ワックスを除去すれば埋めていた傷も露わになるので、その辺は忘れないようにしてくださいね。

ワックスでつま先をピカピカにして、あたかも無傷かのようにアピールして販売するというのは、自分本位すぎますので。

あくまでも、傷はあったものの、これ以上の傷がつかないように…といった意味での鏡面磨きという認識が大事です。

販売シーンでは、意識しておいてください^^

 

メリット④楽しめる

鏡面磨きは、磨き方にコツがあったり慣れが必要だったりします。

特にリペアの中でもスキルが問われる部分になるかと思います。

要するに、ちょっと難しいんです。

だからこそ、出来るようになると楽しいわけです^^

指先に取るワックスの量や、数滴の水を使うタイミング、磨いていく指先の力加減など、

初めてやったときは全くわからず、全然鏡面にならずアタフタしていました^^;

それでも、何足も磨いているうちに、「これだ!」というのが見つかってきて、僕もようやくコツを掴んできたかなーといった感じです。

 

もはやビジネスというより、趣味の領域と言った感じです。

この、ピカピカに磨き上げる楽しみというのがありますね。

 

鏡面磨きのデメリット

デメリット①鏡面磨きをするのに手間がかかる

先程、鏡面磨きは「楽しめる」とメリットとしてご紹介させていただきましたが、

デメリットとしては、手間がかかるということです。

1日に1足や2足という足数であればそれほど問題ないかと思いますが、

5足とか、10足となると、正直「やりたくない」気持ちも生まれてきますね。

いくら楽しくても、楽しいと感じる度を超えると嫌になりますからね。

 

それに、鏡面磨きは中途半端にやると、出品写真での良さが伝わりませんし、

かといって本格的にやると結構時間もかかる。

そうなってくると、まんべんなくやっていくよりは、

やるなら本格的に、中途半端なら一切やならいぐらいがいいですね。

 

デメリット②ワックスを落とすのにも手間がかかる

革靴は定期的にフルメンテするのが良いとされています。

人によっておすすめしているタイミングに差はありますが、

数ヶ月に一回 / 半年に一回 / 100時間履く毎に一回、というのが一般的かと思います。

 

そもそも革の状態をより良く保つためには、適度な油分や水分が必要なんです。

日常で革靴を履いていると、油分や水分も徐々に失われてきますので、

より長くきれいに革靴を履きたい場合は、定期的なメンテナンスが不可欠です。

 

しかし、鏡面磨きを施しているとワックスが邪魔して油分や水分補給ができないので、

定期的なフルメンテでは、ピカピカになっている鏡面もきれいに落とさないといけません。

この“きれいに落とす”というのが、一般的なクリーナーだとかなり大変で厄介なんです。

 

だから多くの方が落とし切れず中途半端にワックスが残り…

そのままメンテナンスを重ねていくうちに、徐々に悲惨な事になってくるといったことも起こります。

また、きれいに落とそうと頑張り過ぎて革を傷めてしまうということもあります。

こういった印象からも「ワックス=革に良くない」と思っている人も少なくないみたいです。

丁寧にワックスを落として、適切なメンテナンスをしていれば問題無いはずなんですけどね。

 

他にもデメリットが無いかを考えてみたんですが、これくらいしか思いつきませんでした。

 

僕としては、ワックスのメリットは存分に感じているのでワックスは大いに賛成派なのですが、

中には、やはりワックスは革に良くないというイメージが強すぎる方もいます。

それに、メリットで上げた「見た目」についても、万人に受けるとも言い切れません。

靴磨きが趣味の方の中にも、ワックスで磨き上げられピカピカなつま先が嫌いな人だっています。

それに、鏡面磨きは職場環境にそぐわないという考え方をされる場合もあるかもしれないですね。

 

ここまでの内容を踏まえて考えてみると、

革靴転売で「鏡面磨き」を施すのは、メリットばかりでも無いというのがわかると思います。

まとめ

今回お話してきた内容を踏まえて、

「そもそも鏡面磨きは本当に必要なのか」

という問いに振り返っていただくと、

「鏡面磨きは必要ではない

というのがわかると思います。

 

もちろん、「やってはいけません」ではありません。

「やらなくてもいい」という話であって、やってもいいです。

 

一番の理想は、やる・やらないを使い分けることですね。

 

外注さんのお話からもわかるように、やらなくても売れます。

ということは、時間効率も考えればやらないほうが良い…となりそうですが、

それだとやっていてつまらないので、僕は適度に鏡面磨きをやっています。

 

例えば、“ 鏡面磨きが栄えそうな靴 ”を仕入れたときには挑戦してみるという感じですね。

 

鏡面磨きについて記事にしていくと、まだまだ長くなってしまうので、

今回はこの辺にしておこうと思いますが、最後に鏡面磨き初心者の方へのアドバイスをひとつ!

 

この記事を読んでいただいた上で、

それでも鏡面磨きに挑戦してみたい!という方は、

まずは、プレーントゥやストレートチップのような

穴飾り(メダリオン)の無い靴から挑戦してみると磨きやすいのでオススメです。

さらに言えば、黒靴から挑戦してみると上手く行きやすいですよ!

 

それでは、今回もお読みいただきありがとうございました。

まえのでした。

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